方べき定理(追記2)

この定理をなぜ方べき定理と呼ぶのか
以下の図を見て下さい。
houbeki3.png
この図は、まず、任意の長方形ABCDを書きます。
点Aを中心に半径ABの円を描き、その円とADの交点をPとします。
PとDの中点をMとし、Mを通ってADに垂直な直線を描きます。
その直線上の適当な点Oを中心に半径がOP=ODとなるような円Oを描きます。
次にAを通ってOに接する接線の接点をEとします。
最後にAEを1辺とする正方形、AEFGを描きます。
さて、ここで方べきの定理を使うと、AP×AD=AE×AEとなるのはわかりますね。
つまり、ここでAP=ABなので、AP×ADは長方形ABCDの面積となります。
また、AEFGは正方形なので、AE×AEは正方形AEFGの面積となります。
つまりこの作図は任意の長方形ABCDと同じ面積の正方形AEFGを描くための作図だったわけです。
これが方べきの定理という名前の由来です。
つまり、方(正方形)べき(乗) 任意の二つの長さを一つの長さの2乗に置き換えることができるということでしょう。
さて、英語では、Power of a Point theoremと呼ばれていますね。
直訳すると点べきの定理でしょうか?

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信じるということ

ディスカバリーチャンネルという衛星放送やケーブルテレビで放送されているチャンネルがある。
このチャンネルでは、いろいろ科学的な話などをおもしろおかしくやってくれるのでとても気に入っている。
最近見ているテレビはほとんどこのチャンネルだろう。
さて、このチャンネルに、サイエンスディスカバリーというシリーズがあってその中で、「宇宙人はもう来ている」という番組が有った。
過去の宇宙人目撃事例や宇宙人に誘拐された人の話などを取材した番組だったのだがその中で、何度も出てきた言葉に「信じる」というものがあった。
曰く、「宇宙人の存在を信じる」、「宇宙人に誘拐されたという証言を信じる」等々
「信じる」ってどういう事だろう?
日常的な使い方として「彼の言うことを信じる」「神の存在を信じる」「霊の存在を信じる」等々
「信じる」というのは具体的に何をすることなのだろうか。
元々は「信ずる」が正しいみたいだが、ここでは「信じる」でも良いことにしておこう。
大辞林第二版によると
 (1)疑わずに本当だと思い込む。心の中に強く思い込む。
 (2)疑うことなく、たよりとする。信頼する。
 (3)神仏などをあがめ尊び、身をまかせる。信仰する。
という意味だそうだ。
つまり、何かを疑わないことらしい。
疑わないというと肯定的な感じがするが、要するにそこで思考を停止することに過ぎない。
つまり、「信じる」というのはそれ以上考えるのが大変だから、考えるのをやめて受け入れてしまうということになる。
当然、思考をし続けて合理的な判断により結論を出すのは大変だし、場合によっては合理的な判断はできない事があるので
ある所でその思考を停止する必要がある。
その思考を停止したところで、「判断できないからわからない」となる
そして、「わからない」となったとき
「これまでの経験、感情などによってそれを真実と判断する」
「判断を保留する」
という二つの選択肢がある。
しかし、人間はどうも判断を保留するのが嫌いらしい。
そこで「疑う理由がなければ真実と判断しよう」となるらしい。
そうやって、「自分で疑う理由を見つけられない言明はすべて真実」と判断され、結果それが「信じる」という言葉になってくる。
つまり「信じる」という行為は「自分の思考力、判断力を十分であると判断し、それによって疑えないのだから真実であろうと推論する」
という行為となる。
かなり傲慢不遜な態度じゃないだろうか?
謙虚な立場に立てば、「自分の判断力などたかがしれている、自分が疑いを挟むことができなかったとしてももしかすると本当は間違いであるかもしれない」と思えば、「信じる」ではなく「わからない」という結論になるはずである。
それでも判断をしなければならない場合、過去の経験等からその言明は正しい確率が高いであろうと判断される場合は
正しいと判断し行動することになる。
それは信じるということではない、さいころを振ったとき2以上の目がでるだろうと推測するのに似ている。
誰も「さいころを振ったとき2以上の目がでると信じる」とは言わないはずだ。
別にすべての人が嘘つきだと言っているわけではない。
本人が嘘とは思っていない言明が間違いであることはいくらでもあり得る。
人間万能じゃないんだから誰の言うことだって間違っている可能性はある。
嘘つきとは、意図的に自分の知っている事実とは異なる言明をする人であって
自分がそうだと知っている事実をその通りに言う人は嘘つきではない。
しかし、嘘つきでなくとも言っていることが真実ではないことはたくさんあるという、ただそれだけのことである。
だから私は「信じる」という言葉は極力使いたくない。
信じるなんて傲慢な態度をとれるほど自分を「信じていない」・・・(^^)

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方べきの定理(追記)

ポチ君の質問について
すばらしい絵を描いてくれたのでこちらからリンクさせてもらいます。
こちらのサーバにコピーさせてもらいました。
houbeki.gif
>質問です。案の定、置き換えで躓きました。
>下の図の「半径r」は、上の図のどこから出てくるのでしょうか。
>適当な数?ともおもったのですが、
そう適当な値です。この円の半径を単に記号としてrと置いただけです。
>(x-p)2+(y-q) 2=r 2
>となっているので、中心(pとq)の座標で半径が導き出せるんですよね。
これは円の方程式なので、rは半径というただそれだけの意味です。
問題にとって、rは定数(一度決めたら変わらない)といううことだけが重要で、値自体にあまり意味がない為、適当にrと書いているだけです。
>下の図の半径S=上の図のAEですか。
>そして下の図のOp=上の図のACですか。(上の図は斜めになっているのを下の図でまっすぐにしたのかな?)
また、sは点Aから、円の中心までの距離ですからこれも、円と、点Aを一つ決めれば自動的になんらかの値に決まって、sは定数になるということだけが重要なので、適当な値sと書いています。
s,r共に問題には全く出てきていません。
問題に出てこないということは、適当に決めていいという意味なので、適当に決めた。
問題には出てこないが、問題の条件から、s,rは定数になる。
ということです。
記号の対応は、ポチ君の書いてくれた図の通りで、間違い有りません。

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海賊版締め出し?

ITmediaニュース:Microsoft、Download Centerの利用を正規ユーザーに限定へ
Windowsのアップデートが海賊版ではできなくなる。
いたって、普通の事のように聞こえるが、ちょっと待ってほしい。
海賊版のWindowsが稼働しなくなるということであればそれはそれで、勝手にすればいいのだが、海賊版のWindowsは保護されない。
つまり、海賊版のWindowsはウィルスやクラッカーの標的になるということになる。
これまで、海賊版であっても正しくアップデートされていたものであれば、マイクロソフトにとってはいやな話かもしれないが世界に取ってはとりあえずその機械は脅威ではない。
しかし今後は、世界中に蔓延する海賊版のほとんどが、インターネットに対する脅威となり、いわゆるボットネットと呼ばれるものの構築をより一層簡単にすることにならないか?
ユーザは、正規ユーザであっても、ウィルスが入ったり、クラッカーが侵入しても、自分に被害がなければ困らないし、邪魔くさいからという理由で
ちゃんとアップデートをしなかったりするのに、海賊版など使うようなユーザが、そんなことを気にするだろうか。
動作に支障がなければそのまま放置されるのは目に見えている。
こっそり実行されるウィルスなどにとっては、入り放題のパソコンが増えることにならないだろうか。
これが普通のアプリケーションであれば、確かにアップデートを制限しようが何をしようが、勝手だが
OSの場合、セキュリティアップデートは、単にそのユーザの為だけではない、インターネット全体の為に必要だし
まして、その原因がマイクロソフト自体に有るのだからそれを海賊版だから制限するなどというおこがましい事がいえるのだろうか?
逆にこんな欠陥ソフトを販売しているんだから、アップデートしてくれた人にお金を払うくらいのことが必要だとすら思える。
毎回アップデートをちゃんと行うと1回につき100円くらいもらえるとなれば、みんなちゃんとアップデートするようになるだろう。
マイクロソフトにはそのくらいの責任はあるのではないか?

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数学を研究するってどういうこと?

ポチ君が、数学を専攻したら何を研究するんでしょう?
という疑問を持っていたので、簡単に説明したいと思います。
簡単に言えば、問題を解くのです。
問題を解くと言っても、もちろん既に解き方がわかっているような問題を解いても誰も見向きもしてくれませんから、まず問題探しから始まります。
既に存在する問題(誰も解いていないもの)でもいいですし、自分で新たに問題を考えたり、既に有った問題をちょっと変えてみたりして解くわけです。
ここで解くという言い方をしていますが要するに証明をするわけです。
数学の世界では、問題の事を「予想」と言うことが多いです。
なぜ予想というか、というと、問題がだいたい「なんとかは何とかである(だろう)」という形だからです。
で、それが、確かに「なんとかは何とかである」と証明できれば肯定的に解決したと言います。
また時には「何とかは何とかであるわけではない」と証明したり、反例(具体的にその命題にあわない例)を出したりした場合、否定的に解決されたと言います。
過去の有名な予想、問題としては、フェルマー予想とか4色問題とか有りますね。
また、未だに解決されていない有名な問題として「ゴールドバッハ予想」というのが有ります。
 「すべての偶数の合成数は二つの素数の和で表される」
これだけです。
(ちなみに合成数とは二つ以上の素数の積で表される数の事で、偶数の合成数とは要するに4より大きい偶数のことです)
これが証明されていないんです。
コンピュータで計算可能な範囲では成り立っていることが示されていますが、すべてか?と言われると今のところ「さぁ」としか答えられないのです。
この問題を解決すれば世界的に有名になれます。
ただ、たとえばこの問題を解決しようとして研究するのは誰にでもできますが、それはとても大変なことなわけです。
これまで何千人という数学者がよってたかって解決しようとしてできなかった問題ですから、そう簡単にできるわけがありません。
だから、ほとんどの数学者はこういう有名な問題を解くことを夢見て、まず現実的な解けそうな問題からといていくわけです。
数学者のもう一つの夢は新しい理論の構築です。
ただしこれは、世界で数人という本当に一握りの人にのみ可能なことなので、だれでもというわけにはいきませんが当然みんなそれを目指しているわけです。
さて、では、こういう問題を解決することが何のやくに立つのでしょうか?
たとえば、群論という数学の分野があります。
これはエヴァリスト・ガロアというフランスの19世紀の数学者(20歳で死んでしまった)が生み出した分野です。
これは、「5次以上の方程式の一般的解法はあるか」という問題を考える上で生み出された分野なのです。
この群論は現代数学の基礎の一部となっています。
そして、その数学を使う、物理学、つまり量子力学や相対性理論の基礎となり、それが元になって現在の電子工学が成立しています。
極端な事を言えば、ガロアがこの問題を考えなければ今の電子工学は何年か遅れていたかもしれません。
(多分ガロア以外のだれかが少し遅れて生み出していただろうとは思いますが)
でも、実際「5次以上の方程式の解法」なんてどうでもいいはなしじゃないですか。現代ならコンピュータで近似解は即座に出てきます。
数学の問題を考えるというのはそれが良い問題であればあるほど、豊かな理論を生み出し、それによって新たな数学が展開される事になります。
つまり、数学の発展は数十年後の科学技術の発展を支えているのです。
(新しい数学理論が実際役に立つまでには最低でも数年、長いものでは数百年かかることもまれでは有りませんが・・・)
そういう新しい理論を考え出す為日夜問題解決にいそしんでいるのが数学の研究者たちです。
「それが何の役に立つんだ」というセリフはよく研究者、特に基礎研究をやっている人たちに投げつけられるのですが
昔まだ電気というものが使われていなかった頃、ファラデーという物理学者が電気の性質を研究していて、
ある時その研究成果として、電線を巻いた物に電気を通してそれに磁石を近づけて反発するのを一般の方の前で実演したそうです。
そのとき、ある老人がファラデーに対して、「その電気というものがいったい何の役に立つんだね」と聞いたそうです。
そのときファラデーはこう言ったと伝えられています。
「あなたは生まれてきたばかりの赤ん坊に向かって、おまえは一体世の中の何の役に立つんだ と聞きますか
電気という技術は今生まれたばかりなのです。これからどんな風に役に立つかは全く想像もできません。」
ともかく、数学者たちは日々、こういった新しい理論の構築や未解決問題の解決に腐心しているわけです。

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言葉の省略

長い単語を省略するのはよくあることで、そうやって言葉は進化し続けている。
今使っている言葉だって、昔はもっと長かった物が短くなっている物もたくさんある。
まして、新しくできた言葉についてはどんどん省略されていく。
テレビだって、テレビジョンの省略だし、ファックスだって、ファクシミリの省略
しかしこういう定着した省略語はいいとして、自分で勝手に省略した単語や、自分のコミュニティだけで通じる省略などは事前にことわらずに使用することは避けた方がいいとおもう。
娘がよく省略した言葉を使うのでそのたびにそれはなんだ?と聞き直し、省略せずしゃべるように指導している。
むやみに省略語を使うのはボキャブラリの貧困さを露呈していることになるから。
言葉を省略しそれをなんの前置きも無く使うというのは、その省略語が省略したとしてもただ一つのことを表していると思うから省略するわけで他の意味になることが想像できない。
つまり自分のボキャブラリの中にはその省略語に該当する単語は一つしかありませんといっている様なもの
要するにボキャブラリが貧困であるから、そういう言い切りができる。
逆に言うと、何でも省略してしゃべるのは、自分の恥をさらしていることになるということを十分理解しておくべきじゃないかと思う。
自分の知っている単語がすべてではない。
世の中には同じような単語がいろんなものを指している事があるんだから、それを勝手に省略してしまうとわけがわからなくなってしまう。
だから私はボキャブラリが貧困であることを隠すため、省略した言葉はなるべく使わないようにしている。
省略するときはまず何を何に省略するかということを言ってから、使用するように気をつけている。
娘にもそういっているのだが、なかなか・・・
突然「レンジ」と言われても何を指しているのかわかるまでに時間がかかるじゃないか>娘
私のボキャブラリには、「レンジ」というと、ガスレンジ、電子レンジ、範囲、等々・・・
いくつもの単語が浮かんでくるんだよ。
確かに君の中では「レンジ」ってのは「ORANGE RANGE」の事かもしれないけどね。
どうも彼女の中では、電子レンジやガスレンジはイントネーションが異なるので違う物らしい

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方べき定理

娘が学校で方べき定理というのをやったらしい。
名前を聞いてもなんのことかわからなかった。
全然記憶にない。もしかして勉強してない?
webで検索すると大量にヒットした。
おかしいなぁ・・・幾何の定理はいっぱいあるから、忘れちゃっただけかな?
しかし、かけらも覚えていないのはなぜ?
私の高校のころには幾何は軽視されてた気がするからそれが原因かもしれない。
どういう定理かっていうと
言葉だけで説明するのは難しいのでちょっと絵を入れる。
houbeki.png
円に交差する二本の直線の交点をAとして、AB×AC=AD×AE であるということらしい。
当然娘は幾何的な証明を習ったらしい
幾何的には、三角形を作って、相似なりなんなりを使ってやることになるだろうというのは想像できる。
で、代数的な解法を考えてみた。
上の図を以下の様に書き直す。
houbeki2.png
この図で原点Oを上の図の点Aと見て、中心(p,q)半径rの円を描いた物
つまり方べき定理とは、(p,q)が半径S、中心Oの上を動くとき、X軸との交点のx座標が二つあるとき
その二つの座標の積が一定であるということを表している事になる。
そこで、中心(p、q)半径rの円の方程式は
(x-p)2+(y-q)2=r2なので
この方程式とX軸との交点の座標を求める。
X軸であるからyは0なので
(x-p)2+(-q)2=r2
となる。
これを展開すると
x2-2xp+p2+q2-r2=0
この方程式の解を、l,mとすると方程式と解の関係から
l×m=p2+q2-r2
ここで、p,qは半径sの円上を動くから、p2+q2=s2なので
l×m=s2-r2=(s-r)(s+r)
r、sは定数なので、l×mは定数。
以上より、任意のp,q(円がx軸と交差する範囲)においてこの積は一定
よって定理は成立する。
ってことで、証明終わりなのだが
さて、この説明を娘は理解できるだろうか?
まず、最初の図から、次の図への置き換えが難しいだろう。
これはかなり慣れを必要とする。
その上で、定理の意味を数式で置き換えてそれを計算する。
計算自体は二次方程式の解の公式だけなので、公式を使えば一瞬で出てくるから特に難しいことは無い。
定理の意味を別の表現、モデルに置き換えて理解する、証明するということが数学の肝なんだが、その辺が理解できるかというところが難しいだろうなぁ
さて、娘を捕まえてこの証明を説明してみよう。
理解できたら上出来だ

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にしんが大漁2

にしんがたくさんとれたら、やっぱり肥料になってしまうのでしょうか?
京都のにしんそばは結構好きだった、身欠きニシンが好き・・・
にしんの話はおいといて、二進数の続きということで おさらいです。
二進数は、0と1の二つの記号(実質1という記号だけ)を使って、その1がどの場所にあるかによって数を記号化した物です。
同じ説明を十進法で行うと
十進数は、0と1と・・・9の十個の記号(実質1から9の9個)を使ってその、1から9がどの場所にあるかによって数を記号化した物です。
となります。
この中で、「どの場所にあるかによって」というのが位取り記数法という、アラビア数字を使ったインド発祥の画期的な記数法なのです。
位取り記数法が導入される前は欧米、日本のどこを見ても、数を表すには、桁を表す単語を使っていました。
つまり、数字に千とか万とか億とか兆という位を表す言葉を付けて表していたわけです。読むときは今でもそうしますね。
つまりたとえば、58,231 を、五万八千二百三十一(ごまんはっせんにひゃくさんじゅういち)と書いていたわけです。
この記数法のメリットは、0の桁を省くことができることです。
つまり、50031であれば、五万三十一と書けばいいわけです。
しかし、桁がふえて、50桁くらいになってしまったらどうします?
50桁あたりの桁を表す言葉をご存じでしょうか?
ちなみに日本語では、88桁目くらいまでは言葉が用意されています。(諸説あって、132桁目だとという説もあります)
まぁ、それはどうでもいいんですが、どちらにしても200桁くらいになると表記の方法がありませんね。
しかし、位取り記数法であれば、とりあえず、数を並べればいいだけなので、200桁だろうが、1000桁だろうが自由に表現できます。
また、計算の際、筆算を行うことを考えると、位取り記数法の法が楽だというのはおわかりでしょう。
合わせて日本では、そろばんという位取り記数法をそのまま体現した計算器が有りますので、位取り記数法自体に抵抗がある方はあまりおられないでしょう。
現代に生きていて位取り記数法はよくわからんとかいう人がいたら会ってみたいものです。
つまり、二進数というのは、十進数の十を二に代えただけのものということがわかって頂けたでしょうか?
ところで、一進法というのは存在するでしょうか?
そう、記号を一つだけ用いたつまり0だけを用いた記数法となります。
たとえば、3を表すには、000、5を表すには、00000
そうそう、うちの小学生がよくやっています。指折り数える記数法ですね。
では、三進法というのは可能でしょうか?
つまり、記号を3つだけ用いた、つまり、0,1,2を用いた記数法ですね。
4を表すのは11、8を表すのは、22という感じで表現されることになります。
さて、ここで特殊な例として八進数を説明したいと思います。
これまでの例の通り八進数ですから、0と1から7の8つの記号を用いた記数法となります。
10を表すのが、12 20を表すのが24
ややこしいだけで何のメリットがあるのかよくわかりませんね、
しかし二進数と比べると
 2を表すのは 二進数で    10 八進数で 2
 7を表すのは 二進数で   111 八進数で 7
10を表すのは 二進数で  1010 八進数で12
20を表すのは 二進数で 10100 八進数で24
31を表すのは 二進数で 11111 八進数で37
32を表すのは 二進数で100000 八進数で40
他の例も考えてみて下さい。
二進数と八進数をよく見ると、二進数で3桁分がそのまま八進数の一桁になることがおわかりいただけますか?
そうです、とても二進数とは相性がいいんです。
十進数と二進数を相互に変換するのは邪魔くさかったのですが
二進数と八進数はとても簡単に変換できるのです。
では、二進数を4桁づつ切ったら、どうなるでしょう。
4桁の二進数で表せる数は、0から15の16種類となります。
では、十六進数というのがあれば、二進数から簡単に変換できるのではないでしょうか。
十六進数とは、0と1から?までの16個の記号を使って表現する記数法となりそうです。
しかし、10以上の数を表す数字は存在しません、どうしましょう。
それではアルファベットのはじめから6文字をもってきてこれに代用するようにしたらどうでしょうか。
つまり、0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,A,B,C,D,E,Fを数と見るのです。
Aが10、Bが11・・何かで見たこと有りません?
そうですトランプのJQKの様に、アルファベットを数と見立てるのです。
では、十六進数で表現するとどういう事になるのでしょうか。
十進数  二進数  十六進数
  15   1111      F
  20  10100     14
  31  11111     1F
  50 110010     32
となります。
そして、二進数との対応を考えると予定通り4桁づつ切った物がそのまま十六進数の一桁となります。
つまり二進数4桁が十六進数1桁になるのです。
二進数の難点として、桁数が増えすぎるということがありましたが、これなら簡単です。
二進数の桁数の約4分の1で済んでしまいます。
十六進数というのは、二進数を表現するのに桁数を減らして表現しやすくした物として使えそうです。
とりあえず進数の話はここでおいておいて、次にビットとかバイトという言葉の話に入りたいと思います。
ビットとは何か?という前に、数を表すのに必要な桁数という事を考えてみたいと思います。
たとえばそろばんを思い出してみて下さい。
そろばんの桁を10桁使用して表現できる数はいくつあるでしょうか。
簡単ですね、0から999999999までの1000000000(十億)個の数が表現できます。
同じ事は伝票の数値記入欄の桁数などでも言えます。
5桁の欄しかなければ、0から99999までの数しか表現できませんね。
つまり、桁数というのはその範囲で表現できる数の種類を決めてしまうのです。
では、二進数だとどうなるでしょう。
前に例として出した点字の場合、点は6個でした。つまり6桁ですね。
これで表現できる数は、000000から111111の64種類となります。
つまり1桁目で2種類、2桁目で2種類・・・6桁目で2種類、全部で、2×2×2×2×2×2=64種類の表現ができるのです。
では、点が8個あったらいくつまで表現できるでしょうか。
そう、256種類の数が表現できます。(2×2×2×2×2×2×2×2=256)
この二進数の桁数の事を、ビット(bit)と呼びます。
つまり、二進数では、単に桁という言葉をビット(bit)と置き換えてもらって構いません。
3桁目を3ビット(bit)目、全部で6桁なら、6ビット(bit)
1ビット(bit)で表現できる数は0か1の2種類
2ビット(bit)で表現できる数は、0から3までの4種類
・・・・・・・・
8ビット(bit)で表現できる数は、0から255までの256種類
となるわけです。
十六進数の所で説明したとおり、16進数は、二進数4桁(ビット)を1桁で表現できますから
十六進数では、二進数8桁(ビット)を2桁で表現できるという事になります。
そして、十六進数2桁分、二進数8桁(ビット)分をひとまとめにして、バイト(Byte)という言葉で表します。
バイトというのはそのまま、二進数8桁と置き換えてもらって結構です。
つまり、8ビット=1バイトで表現できる数は、0から255までの256種類
となるわけです。
これがビット、バイトの関係です。単純でしょ?12個で1ダースというのと同じような物です。
そして、あまり一般には使われませんが、コンピュータ業界では
2バイトのことを1ワードと呼んだり、4ビット(二分の一バイト)の事をニブルと呼んだり、1バイトのことを1キャラクタと呼んだりします。
いちいち4ビットと書くのが邪魔くさいのでニブルと言っているだけです。
では、世の中でよく使われる、bpsというのは何か?という説明をします。
まずbpsというのは、bit per secondの略です。
perというのは、/という記号を表しますから、bpsというのはbit/secondつまり1秒間に何ビットかという事を表しているわけです。
これにMとかKとかの記号が付いてきますね。
Mはメガ Kはキロと呼んで、1K=1024 1M=1024Kの事を表します。
普通k(キロ)というのは、1000を表しますよね。
コンピュータ業界以外では、Mも100万を表します(メガヘルツとか聞いたことあるでしょう)
ではなぜ、1000ではなく1024なのかというのは、
1024がちょうど10ビット分で表せる数、つまり、2の10乗に当たるので
2の何乗というのが大好きなコンピュータ業界では、1000に近いので、これをKとして表現するようになったのです。
その方が計算しやすいからというのもあります。
なぜ計算しやすいのかという話はちょっとややこしいのでちょっとはぶきます。
さて、100Mbpsというのはどのくらいかというと
まず、M(メガ)を1024×1024と計算して、1048576
これの100倍ですから、104,857,600bpsということになります。
さて、日本語の文字を1文字表すのには、2バイト必要ですから、1文字分で16ビット(1バイト=8ビット)必要になります。
ということで、104,857,600bpsを16で割ると6,553,600 バイト/秒となります。
つまり、1秒間に655万文字の情報を送れることになります。
これがどのくらいの量かというと、よく新聞で表現されますが、一般に新聞1ページには約5000文字が入っているそうなのでこれで割ると、1310ページとなります。(広告や写真の部分を除く)
つまり最大限の速度でおくれば、1秒間に新聞1300ページ分以上の情報が送れるわけです。
1日の新聞は平均して、32ページとして、約40日分の新聞になります。
つまり、100Mbpsの回線速度で最大限の速度で送ったとすると、40日分の新聞記事が1秒で受信できることになります。
これが100Mbpsという数字の意味です。
さて、では、最近はやりの通信単位、パケットですが
このパケットというのはPacketと書いて128バイトの事を指しています。
なぜ、128バイトという変な量なのか、実は、これをビットで表すと、ちょうど1024ビット
つまり、1Kbitとなるわけです。
ですから、たとえば、144Kbpsでだと、1秒間に144パケット送れるということです。
どうでしょう。
ビットとは、二進数の桁数のこと、バイトとは、単に8ビットのこと
1メガビットは1024キロビットで、1キロビットは1024ビットのこと
1パケットは128バイトで、つまり、1キロビットのこと

歴史的には、1キャラクタが7ビットだったり、今でも文脈によってはワードが4バイトを指していたりとかする場合が有りますが
一般的に、何もことわらずに使う場合は、上記の単位で解釈してかまいません。
今回の説明ではすべてをデータの通信だけに使った場合の計算を書いていますが、実際にはプロトコルというものがあって、データ以外にも通信しなければならない情報が有りますので、本当は、1割くらい余分なデータがついてくると思って頂く必要が有ります。
つまり、100Mbpsといっても、実際に有効に使えるのは90Mbps程度であるということです。
どうでしょう?
わかりにくい所などあれば、どうぞご遠慮なく

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にしんが大漁

なんで数学なのに「にしん」の話が・・・
えっと、にしんではなく二進数の話をしたいとおもいます。
口癖としてはあまり言ったことはないつもりなのですが、書き癖というんでしょうか、
「えっと」と「とりあえず」というのを多発します。
私の送信するメールでこれらの単語を検索するとほとんどのメールがひっかかるんじゃないかと思います。
で、そんなことはどうでもいいんですが
話は戻して
二進数のお話。
今回は実際に使われている場面というよりは、二進数というのはなんのかというのが分かるようにしたいと考えています。
もちろん実際に使われている例も出して説明したいと思っていますがそれだけじゃないってことです。
点字というのはご存じでしょう。読めないにしても存在は知っていると思います。
そう目の不自由な方が手で触って読むことが出来る文字のことです。
たとえば、点字で「あ」を表す文字は
●□
□□
□□
となります。(□は空白を意味しています)
母音を並べると
あ  い  う  え  お
●□ ●□ ●● ●● □●
□□ ●□ □□ ●□ ●□
□□ □□ □□ □□ □□
となります。
これを左上から、横に順に、上から下の順にならべるなおすと
あ ●□□□□□
い ●□●□□□
う ●●□□□□
え ●●●□□□
お □●●□□□
という風になりますね。
●のところを1に□のところを0にして書き直すと
あ 100000
い 101000
う 110000
え 111000
お 011000
となります。
さて、当然50音が有りますからこれ以外の組み合わせもいろいろあるんですが
それはおいといて、みんな最後の3つは空白ですよね。
そこで最初の3つだけ取り出すと
あ 100
い 101
う 110
え 111
お 011
さて、3つの1,0の組み合わせでこれ意外にはどんな組み合わせがあるでしょうか?
ちょっと考えていただければすぐ分かると思いますが
000
010
001
の三つだけが残っています。
つまり0,1を三つならべる方法は全部で8通りあるわけです。
これらの記号は点字としては存在するのでしょうか?
当然000つまり全部0の場合は空白になります。
010000はかならず他の文字の前につけて、拗音(きゃ、きゅ、きょなど)の記号で
001000は何かの文字の後にかならず続く形で促音「っ」の記号になります。
これら1点の符号だと、単体で存在すると、「あ」と区別しにくいからなのでしょう。
さて、ここまで延々と点字の説明をしてきましたが、なぜこんな説明をしているかというと
この点字の考え方、つまり、文字を点の並びで表現するという考え方が
二進数そのものなのです。
0 000
1 001
2 010
3 011
4 100
5 101
6 110
7 111
したがって、この数字を先ほどのルールに基づいて点字に戻すと
点字の「あ」は4 「い」は5 「う」は6 「え」は7 「お」は3、空白は0、拗音は2、促音は1
という風に成ります。
つまり、二進数というのは、点の並びで数を表現する方法だったのです。
もちろん、点字とは違って数ですから計算が出来ないと不便です。
そのためちゃんと並びに意味がついています。(説明の為に位置を桁と呼ぶことにします。)
一番右が1桁目、そこから順に左に向かって2桁目、3桁目と数えることにします。
では、この二進数で計算をしてみましょう。
まず簡単なところから、1足す1は?
当然普通は2ですが、点には種類が無いので、一つの点では2は表現できません。
どうしましょう。記号が0と1しかないんですから、仕方がありません。
5と5を足したとき、9より大きくなって困ったとき、仕方がないから上の桁に繰り上がりしたのをまねして繰り上がりするようにしてみましょう。
つまり、1と1を足すと10となることにするんです。
この規則を一つつくるだけで、二進数の計算はすべて出来てしまいます。
たとえば5と3を足してみましょう。
5は101、3は011でしたから
101と011を足すことになります。
小学校で習ったとおり、下の桁から順番に足していくと
まず、1桁目は1と1ですから、さっきのルールで10 一桁目は0
二桁目は0と1ですが、さっきの繰り上がりがあるから、やっぱり10 二桁目も0
3桁目は1と0ですが、やっぱりまた繰り上がりがあるから、また10 三桁目も0
そして、4桁目になって、三桁目からの繰り上がりの1だけがのこって、 4桁目は1
つまり、1000となるわけです。
さて、3+5は8ですね、
上の例では7までしか書いていませんでしたが、8は1000となります。
答えが一致しましたね。
つまり二進数で表しても同じように計算ができて、ちゃんと答えが一致します。
さて、では10進数ではなくなぜ2進数を使う必要があるのでしょうか。
それはルールが簡単だからです。
10進数の計算をすることを考えると、3+7でも、2+8でも5+5でも全部繰り上がりが発生します。
1桁の足し算の表を作ってみればわかりますが、結局10*10通りの結果を必要とします。
(もちろん大人はそんなことはせず、自然に計算ができますが、小学1年生をみれば分かりますが結局すべての組み合わせを苦労して覚えています。うちの1年生がバカなだけかもしれませんが・・・)
ところが、二進数では、ルールは簡単です。
0+0=0、1+0=1、0+1=1、1+1=0と繰り上がりの1
という4つのルールで決まるのです。
これ以上のルールは必要有りません。
どうです?、簡単でしょ?
これなら小学生も簡単に覚えられるのではないでしょうか。
また、かけ算になるともっと簡単です。
1×1=1だけができればいいんです。
他は全部0になります。
実際にやってみましょう。
たとえば、3×5 当然15ですね。
2進数では 011×101
ちょっと文章で書くと長くなりすぎるので筆算でやってみます。
     011
×    101
------
     011   上の011に下の一桁目の1をかけて
    000    上の011に下の2桁目の0をかけて
   011     
-------
    1111   上から順番に足していくと
1111というのは、1000+111で、8+7ですからちゃんと15になっています。
ほら簡単でしょ?
これなら1年生にだって簡単に覚えられるんじゃないでしょうか。
九九に苦労する必要も有りません。あえて言うなら一一でしょうか、
さあご一緒に「いんいちがいち」、あ、終わってしまった。
今すぐすべての数を二進数に統一しましょう。・・・(^^)
では、二進数がすべてにおいてわかりやすいかというと、表現するのに必要な桁数が膨大に増えるのです。
10進数に比べると約3倍以上の桁数を必要とします。(正確には3.32・・・倍です)
パソコン98,000円というのが 10,111,111,011,010,000円となってしまって
何がなにやら、毎日国家予算並の桁数を数えなければなりません。
これだけ長いと点を打っても全然わけがわかりませんね。
もし二進数で国家予算を表すとどうなってしまうでしょう。
平成16年度予算が821,109億でしたから
10進数で表せば、82,110,900,000,000 これでも桁を数えないと訳が分からないのに二進数で表すと10,010,101,010,110,111,101,111,000,001,101,101,010,100,000,000
・・・なんでしょこれ・・・ほとんど何かの模様となってしまいますね。
やっぱり10進数の方が幸せですね。 九九くらいなら我慢しましょう。
でも逆にコンピュータにとってみれば、桁数なんて、多くてもたいしたことありません。
彼らは単純作業を繰り返すのは大変得意なのです。
それより、難しい判断をしたり、条件がたくさんあることを考える方がよほど大変なんです。
だから、コンピュータでは2進数が使われる?・・・
うーん、もっと大元の理由があるような気が・・・
閑話休題
アメリカの貨幣単位はドルでその100分の1がセントというのはご存じでしょう。
ではイギリスの貨幣単位はご存じでしょうか、ユーロというのは間違いで、今でもポンドを使っています。
ポンドの補助単位はペンスで1ポンドが100ペンスとなります。
がしかし、ほんのつい最近1971年までイギリスの貨幣単位は
1ポンド=20シリング
1シリング=12ペンス
つまり、1ポンドが240ペンスです、
それ以外に
1ギニー=21シリング
1ポンド=4クラウン
などという単位も有ったのだそうです。
もうわけがわかりませんね。
ハリーポッターを読むと、魔法の世界のわけの分からないの貨幣単位が出てきますが、これは昔のイギリスの貨幣単位を皮肉ったものだったのですね。
まぁ日本でも、江戸時代まで1両は4分、1分は4朱、文(銭)については変動相場・・・いくらになるか決まってない?
という状況でしたからあまりかわるわけじゃないんですが
しかし、いまだにインチだの、フィートだの、ポンドだの・・・変な単位系を使い続けているアメリカにはかなわないかもしれないですけど
次回8進数、16進数のお話をちょっとかじってから、ビット、バイトなどの話に進みたいと思います。

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新幹線の中から

今新幹線の中から書いています。
パソコンに携帯をつないで接続して
昔はかなり大変な思いをして新幹線の中から接続した記憶が有りますが
最近はAUのPacketOneを使うと、新幹線の中からでもあまりストレス無くwebを見たり、サーバに入ったり出来ますから、便利ですね。
電波状態が悪くなっても、接続を切らずに、良くなったときそのままつなぎ直してくれるところが、PacketOneのいいところ
速度も130kbps程度でているので、巨大な画像などを落とさない限り特に問題にはならないし。
最大の問題はパソコンの電源ですね。
もう2年も経つ機械なので、電源が30分位しか持たない
そろそろ買い換え時なのかなぁ
でもなぁ、新しいDynabookは今ひとつ魅力を感じないなぁ
せめて無線LANが802.11g対応になってからと思っているのだが、
自宅の無線LANアクセスポイントも先日g対応に変えたのに
早くg対応のDynabookSSはでないかなぁ

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