「じゃその先にはなにがあるの?」
という質問(きっと答えは期待してないと思うけど)がコメントにあったので書いてみるテスト
数学屋的にはこの先、初等整数論の話が始まって、その後代数的整数論に進んで、イデアルや類体論などというあたりに進んでいくとか、解析的整数論の方面で、リーマン予想とかそういう世界に行ったり、最近では数論幾何学とかいう分野もあるそうです。
しかし、ここの話は情報処理数学なので、進む先は暗号化理論の方面になります。
数学屋の進む道とは違って、計算量とか、解読可能性とか、そういう方向に進んでいきます。
まずRSA暗号(公開鍵暗号方式としてもっとも最初に出てきたもので、現在でもよく使われている方式)の話をやってその中で出てくる、素数判定や多倍長整数演算の話になってそこで計算量なんかの話になります。
たとえば、整数の素因数分解は、普通にやるとその数の平方根までの素数について順番に調べていかなければならないので、とてつもなく時間がかかるとか
(どんなにうまくやっても簡単にはできないだろうというのが、RSAが安全な理由なんだけど、本当に簡単にはできないのかどうかはわかっていない。)
全く同じ平文(もとの文章)を複数の宛先に送ると解読されてしまうとか、
おかしな鍵を使うと簡単に解読されてしまうとか、
そういう暗号の強さの話。
実際に使うときは計算量(コンピュータの負荷)を考えて、一時的な共通鍵暗号をつかうために、共通鍵暗号の鍵のやりとりをする時だけに公開鍵暗号を使うとか
そのほかの暗号方式として、公開鍵暗号なら楕円関数暗号やElGamal暗号、
共通鍵暗号では、DESや3DES、AESという話。
電子署名の流れから、メッセージダイジェスト関係でMD4/MD5やSHA/SHA1/SHA256の話
なんかに進んでいくんでしょう。
あと、関連している話としては、CRCとかの誤り訂正符号の話とか、
情報理論として、情報のエントロピーの話、シャノンの定理、ハミング距離の話
JPEGで使われている離散コサイン変換の話とか、
FFTを使った多倍長整数演算の話なんかもおもしろいですね。
まぁ、先はいくらもありますんで、まだまだ勉強してもらわないといけないんですが、うちの馬鹿娘はそこまで理解できるのかなぁ・・・
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その先もその前の話もよく分からないのでおいといて(^^;
暗号の世界がその先の数学だったとは知りませんでした。あれは言語学の一種なのかと思ってた。
「アンフェア」という篠原涼子主演のドラマに、どんなセキュリティでも破っちゃうすんごい天才(かなり腹黒な)女が出てくるのですが、まぁ本当にすんごい。警察上部のトップシークレットとか、細菌兵器を保管している研究室の保安セキュリティとかを、ノートパソコン一個でこともなげに突破してくんです。そういうのって、一人の天才がいればできちゃうことなんだろうか? だとしたらセキュリティって何? ドラマの話だからなんだろうか?
出版の世界は、数字よりも直感とかで仕事しちゃうタイプが多い。でも、いろんな数字をインプットして、「次はこれが絶対に来る!」ってのが確実に分かるんなら、出版社の社長は幾らでも払うと思うよ。
とりあえず、現在の暗号の世界は一人の天才でどうにかなるというものではありません。
昔(80年以上前)は暗号というのは、頭のいい人が考えればなんとかなるというもの(推理小説のネタ)でしたが、第二次世界大戦以降、ドイツのエニグマ暗号などの循環換字式暗号は人が考えてどうにかなるものではありません。
ましてや現在の暗号はノートパソコン1台で簡単にどうこうできるものではありません。
ただ、セキュリティというのは、もっとも低いところが破られるので、いかに高いセキュリティを持ったシステムでも人が使うところに穴があります。
そういうのをソーシャルエンジニアリングといって、たとえば担当者に電話してパスワードを聞き出すとか、
安直なパスワードを使っているシステムにブルートフォースアタックをかけるとか
やりようはいくらでもあります。
それは天才というよりは、詐欺師の技ですね。
結局一番弱いのは人です。
#
電話でパスワードを聞かれて答えるわけないじゃない。
って思うかもしれませんが、
100人いれば一人や二人は答えてくれるものです。
(振り込め詐欺に引っかかるのと同じくらい)
また、家で飼っている犬の名前をパスワードにしているケース
(それがポピュラーな名前だっりするんだこれが)
なんかはあたりまえに存在します。
たとえば、mixiにもパスワード「ポチ(pochi)」で入れるアカウントを探したら結構あると思います。
※試してはダメですよ。
そういう穴はシステムがどんなにがんばっても防げませんから。
暗号はセキュリティの道具ですが、セキュリティは暗号だけでは守れないってことです。
ちなみに量子力学の不確定性原理を認めると、次に何が来るかはいくら払われても絶対にわかりません。
markさんの娘さん以上に脳細胞が死んでいる私には、本文はさっぱり分かりませんでしたが、コメントはよく分かりました。身近な話題です。
うちの職場でも、3年前は怪しい電話が頻繁にかかりました。相手がどんな事情を訴えようとも絶対に答えないということを徹底したところ、その手の電話は去年・今年はほとんどありませんでした。私達は「どこかペラペラしゃべってくれるところを見つけたんだろう」とうわさしてます。
とはいえ、ほとんどは善良な一般人なのでそういう方に怒られるのはしんどかったです。
よくある手として
「システム部の何とか(スズキとかタナカとか)ですが、
あなたのアカウント(社内のサーバへのアクセスなど)でトラブルが起こってて、他のアカウントに障害が出てます。
至急アカウントを調整しないといけないので、パスワードを教えてください」
なんて電話がかかってきたりします。
大きな会社とかだと本社のシステム部が同じビルには無かったりするので、外線からかかってきても不思議じゃないですから、
社内の人間だし、ましてやシステム部の人間なんだからいいだろうなんて勝手に思って、ペラペラパスワードをしゃべってしまう方が結構いるようです。
社内の人間か、システム部の人間かなんて確認できてないのに、本人がそういっているからって信じてしまうのも不思議ですが、
「至急」とか「他の人が困っている」とか言われるとつい答えちゃうんですね、
あとは高圧的な態度で
「あんたのせいでみんな困ってるんだ、うだうだ言わずにこたえろよ」みたいなことを言われると、ついつい・・・
ちなみにほとんどのシステムで、システム管理者はユーザのパスワードがわからなくても困ることはないですんで、管理者側からパスワードを聞くなんてことはあり得ないんですが、一般の人にそれはわからないですよね。