この記事はKernel/VM Advent Calendar向けの記事です。
カーネル/VM Advent Calendar
さて、これまでの人のディープなお話には対向できないおじさんは、昔話でお茶を濁しておこう。
カーネルVM探検隊なので、カーネルかVMの話と思っていたので、今回はVMの話をしようと思う。
記念すべき2011年最初のAdvent Calendarだというのに、こんな話題で大丈夫か・・・
VMはVMでもPC-9801vm2というパソコンの話。
PC-9801シリーズというと、NECが販売していた、ガラパゴスPCのことで、いわゆるDOS/V機が出てくるまでの日本のデファクトスタンダードだった機械。
初代PC-9801から PC-9801F、PC-9801Mと続き、その後継機として出てきたのが,PC-9801 vm2という機械。
私が初めて買ったPCが、PC-9801VM2だった。
ディスプレイ(カラーの640*400ピクセル)とセットで、たしか40万くらいしたはず。
VMのVは当時NECが生産していたV30という8086互換のCPUを搭載していることを意味していて、なんと10MHzで動作した。
そのまえのMでは8086が8MHzで動いていたのでCPUクロック25%アップである。
CPUの速度が変わると単純に速度が速くなってゲームなんかでは早くなりすぎて困ってしまうものもあったので、本体前面に8MHzと10MHzの切り替えスイッチがついていて、8MHzで動作することを前提に作られたソフトに対応することができた。
また、メモリは標準で384KBも搭載されていた。前の機種が256KB、その前が128KBだったはず。
追加のメモリを購入することで最大640KBまで拡張可能だった。
メモリアドレス自体は8086なので、セグメントレジスタと合わせて20ビット分(1MB)までアクセスできるはずなのだが、実際には640KBより上のアドレスは特定用途に割り付けられていてメインメモリとしては使えなかった。
たしか0xC0000から128KBはグラフィックで0xE0000からが拡張アドレスだったと思う。
当時主流のキャラクタディスプレイではなく、なんと16色ビットマップディスプレイ。
すでにメモリも少しは安くなっていて、2MBの拡張メモリが、数万円で購入可能だった。
たしか、上記の0xE0000からのアドレスをメモリに割り当ててバンク切り替えしながら使っていたと思う。
ちなみにこの少し前、MZ-80KというSharpのZ80マシンのメモリは32KBで十数万円だったと友人から聞いたことがあるから、これでもかなりやすくなっている。
そしてVM2の2はフロッピーディスクドライブが2台ついているという意味。
5.25インチ2HDのフロッピーディスクが2台標準で搭載されていた。
フロッピーなのにHDってなに?
ハードディスク でもハイデフでもなく High Densityの略。2は両面っていう意味で、つまり両面高密度ってこと。容量は1.2MB
DDはDouble Densityで倍密度。2DDで640KB
ちなみに2Sという320KBのディスクもあったし、初期のApple][のドライブは1S(160KB)だった。
SはSingle Density
さすがに8インチディスクの時代ではなかった。(世間には存在したけど)
3.5インチディスクはまだほとんど普及していなかった。
この少し前までカセットテープにデータを記録していたことを考えると、これでも画期的な大容量だった。
その他特筆すべき点としては、キーボードだろうか。
コントロールキーがちゃんとAの横についていた、とても使いやすいキーボードだった。
このあたりは話始めるときりがないのでこのくらいにしておこう。
あとファミコンのハードの話とかX68000の話とかあるけど、それはまた何かの機会に。
カーネルVMには全然関係ないけど、ちょっと宣伝
基礎から学ぶ 組み込みAndroid
絶賛発売中。
Amazonでは品切れだという話ですが、すぐ追加が入るはずです。
街の本屋さんにはまだ十分在庫があると思います。
元々はこの本の中身についてちょっと書こうかと思ってたんですが、資料を忘れて実家に帰省してしまったので、こんな昔話になっちゃいました。
新年早々、しまらない内容で、すみませんでした。
みんなのネタが切れた頃にでも リベンジしようかな。
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メタ情報
V30というと、8080(Z80と8086の先祖)と命令互換のモードがありましたね。
今、V30を設計してた人と仕事をしてますが、その人、いわく「マルチ・命令セット・アーキテクチャなんて、できて普通だよね。弊社も、V8xxとかSH4とかRXとか一緒になったし、マルチISA を、またやらないといけないかな…」とか、おっしゃってますよ。
V30は、8086のマイクロコードをパクったとか、パクらないとかで、結局、裁判は、盗んでない判定。