さて、虚数というのは高校数学で出てくるのだが、多分みなさん、これこそそんなものなんであるんだよっていう風に思われた代表的なものじゃないでしょうか。
クロネッカーという数学者がいました。(性格に問題があったらしいですが・・・)
彼のセリフで「自然数は神がつくりたもうた。それ以外は人間が作った」というものがあります。
つまり、実際に存在するのは自然数だけで、あとは人間が勝手に何かをするのに都合がいいからという理由で作ったものにすぎません。
たとえば、
・0(ちなみに自然数には0は含まれません)
これは、数の表記上0があると便利な為、
また、無いという言葉を数で表現する際に便利な為に作られたものです。
・負の数
足し算の方程式、x+2=3の解を求める演算として引き算を作って、3-2=1という風に答えが出せるようになったのですが、ちょっと数字を変えてx+5=3としたとき、答えが求まらなくなるので、
x+2=0となる数として、定義されたのが負の数です。
そしてこの自然数、0、負の数を合わせて整数と言います。
・分数
かけ算の方程式x×3=6の解を求める演算として割り算というものを作って、6÷3=2という答えが出せるようになったのですが、ちょっと数字を変えて、x×3=5としたとたん、答えが求まらなくなるので
x×3=5となる数として、定義されて出来たのが分数です。
分数に至っては、すでに数というより、3÷5というのをそのまま書いたようなものであって、これが実際に存在する数か?と言われるとかなり疑問です。
同様に円周率π これも円の周囲の長さをその直径で割った値と言われていますが、本当にこんな数は存在するのでしょうか。
合わせて小数の世界では、0.3333・・・・と無限につづく無限小数というものが有ります。
これこそ書くことすら出来ないのになぜ実際に存在すると思えるのでしょうか。
これら正負の小数で表される数と整数を合わせて実数と言いますが
現代人にとって、自然数に始まり実数までは日常的になんの疑問も無く使っているので、実在するような気がしていますが本当に実在するの?と言われると全く疑問だと思います。
振り返って、虚数というのは
x2-4=0という方程式の解を求める為に平方根という演算を考えて、x=±2という答えを出したのですがちょっと数字を変えてx2+1=0としたとたんに、実数の範囲では答えが求まらなくなるので
x2=-1となる数として定義されたのが虚数単位 i です。
分数や負の数の定義と何か違うことは有りますか?
単に方程式の解として存在しないので困るという理由で出てきた数に違いはありません。
そういう意味では、これまでの実数が存在するとしたら、虚数だって存在するし、虚数を存在しないとすると、自然数以外の数の存在も怪しくなります。
つまり虚数だけを特別視し、これは存在しない数なんだけど計算上必要だから出てきたというのはちょっと違うような気がします。
ちなみに虚数単位を i とし、実数a,bを使って、a+biという形で表される数を複素数と言いますが任意の次元の方程式、3次だろうが4次、100次(xの100乗の方程式)だろうが、解は複素数の範囲で収まることが証明されています。
つまり、数の世界は、複素数まで拡張して初めて、すべての方程式がその範囲で解を持つことになり、これ以上の拡張は必要無いということが分かったのです。
(ちなみに4元数とかこれ以降の拡張も有りますがそれはもっと別の必要性から出てきたものです)
方程式というと難しいことを言っている様ですが
たとえば、300円のものを買って1000円だしたらおつりはいくら?という問題は
300+x=1000という方程式を解くこととなんら代わりは無いですし
引き算というのは、もともと存在するものではなく、何と3を足したら10になる?という問題を簡単に表現するものとして、10-3は何と書き直す為の記号として生み出されたものですから計算というものは常に方程式を解いているものといって差し支えは有りません。
つまり日常的に無意識で使っているものなのです。
確かに日常的な計算の中には虚数は出てきません。
それは単に日常では二次方程式以上を解く必要があまり無いというただそれだけのことであって
決して日常的に使わないから実在しないということにはならないと思います。
そして、虚数という言葉が悪いのでしょうか、虚な数ということで、何か超自然的なことを表している様な印象を与えてしまって、虚数エネルギーは無限のエネルギーだとか・・・
そういう言葉の印象だけで主張することがまかり通っているみたいです。
虚数というのは別に特別なものじゃないし、虚数エネルギーなんてものは特に特別なものじゃありません。
物理の方程式を解いていると虚数などは日常的に出てきます。
それ以前に負のエネルギーって何ででしょうか?
それこそわけの分からないものでは無いですか?
あるエネルギーより小さい状態を負で表すのであればかまいませんが、エネルギー0の状態から負のエネルギーというのは直感的には何を表しているのか全く分かりません。
エネルギーを表すのに温度を用いてみましょう。
物体の温度というのはその物体が持っている熱エネルギーのことです。
絶対零度という言葉をご存じでしょう。その温度ではエネルギーは0なのです。
そしてそれ以下の温度というのは存在し得ない、つまり負のエネルギーというのは存在しないのです。
(これは正確性を欠きますが、一般的な意味での負のエネルギーは存在しません)
虚数エネルギー云々いう前に負のエネルギーの方を話題にした方が良くないでしょうか?
「負のエネルギーは現代科学では実在しない、つまり、これは超能力を表すエネルギーで・・・」
と言ってもいいはずです。
なぜ負と言わないのか、それは負というのがあまりに日常的に使われる概念で、人をだましにくいからです。
人をだますにはその人が聞いたことはあるけどよくわかっていない言葉をつかうのが簡単です。
よく知っている言葉でだますのは難しいのです。
曰く、マイナスイオン、磁力水、活性水素・・・・・
そのため高校で習うけど今ひとつ実感の無い虚数というのを持ち出して、科学的で有るような雰囲気を醸し出しつつ人をだます為に虚数エネルギーと言っているだけです。
それから、質量保存の法則と、水の沸騰はあまり関係有りません。
質量保存の法則というのは、化学の世界で、化学反応の前後で質量が変わらないということを表している法則で、この場合敢えて言うならエネルギー保存の法則の方が適当でしょう。
エネルギー保存の法則というのは、物理の世界で、現象の前後でエネルギーの総量は変化しないという法則です。
現代科学では、エネルギー質量保存の法則というのが一般的です。
エネルギーと質量は等価なので、その合計が変わらないという風に現代では使われます。
少なくとも水を一瞬で沸騰させるなら、それに必要な熱量を一瞬で与えてやればすむ話なので、別にこれはエネルギーの質の問題ではなく、量の問題にすぎません。
あと、血の涙を流すマリアは、別に科学者が分からないといったからといってそれが超科学的なものとは限りません。
マジシャンを数名連れて行って検証してみるべきですね。
科学者はトリックにだまされる経験も少ないし、トリックを考えることも無いですから、こういうトリックには簡単に引っかかります。
検証は、プロにさせなくてはいけません。
科学者は自然を解明するプロであり、自然はトリックを仕掛けたりしませんから。
トリックを検証させるにはトリックのプロ、マジシャンにさせましょう
Mr.マリックなら血を流すマリアなんて簡単に実現してくれることでしょう。
血を流すマリアの検証でやるべきことはCTスキャンとかX線撮影ではなく、
厳重な金庫に保管し、それでも新たな血がながれるかどうかです。
夜中に血をなすりつけにくる人間がいないことを証明せずに、CTスキャンしても意味がありません。
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メタ情報
質量保存の法則は、完全にわたしの書き間違いでした!
エネルギー保存ですね。うわぁ。
血の涙を流すマリア像を手品師に検証させるのはおもしろうそうですね。
どこかのテレビ局に持ち込みたいです。